あ行の作家

2013年02月26日

「死が招く」 ポール・アルテ

sigamaneku


「死が招く」 ポール・アルテ


ツイスト博士シリーズ第2弾。

密室でミステリ作家が煮えたぎる油の中に顔と手を突っ込んで死んでいた。

テーブルの上には出来立てのご馳走。

その状況は、新作として予定していた「死が招く」という作品と同じシチュエーションだった。


見事な、ザ・密室。

それに、奇術師の義弟、双子の兄弟、怪しい隣人、祖父が生き返ったという娘。

怪しい雰囲気と、短絡的思考のハースト警部のミスリードののちに

鮮やかに推理を展開して解決するツイスト博士。

どんでん返しののちに結末。

いつも通りです。

全く見当がつかない難題で引っ張っておいて

真実は単純、最後はすっきり。




しかし

1か所だけわかりやすすぎる伏線があるんですよ。

不自然すぎる描写が残念だったかな。

(他の方の書評でも、伏線が浮かび上がりすぎて、怪しすぎるって指摘されてました)





   

sibainunohi at 21:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年02月25日

「困ってるひと」 大野更紗

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「困ってるひと」 大野更紗


売れている本、ということで手に取ってみました。

突然発症した難病で、1年間も病院を放浪する著者。

自殺寸前で、病気と向き合ってくれる医師に出会い

はじまる過酷な闘病生活。

ビルマの難民支援の手伝いをしてたのに、自分が難病難民になってしまうとは。


本人はこれは闘病記ではない。

と言ってますが、やっぱり闘病記です。

そんなこと言うより、もっと闘病記に焦点を絞って書けばよかったのになと、まず思いました。

健康で、優秀で、いままで苦労もなく、人生を歩んできた人にとったら

自分が病むということは想像もできなかったことでしょう。

病気がわかるまで(治療法はいまだにわからないけれど)の苦痛は計り知れないと思います。

麻酔なしで切られるとか、よく我慢したなと思います。

ずっと続く体調不良のままで生きていくのは易しくないと思う。


でも、どこか、彼女の文章には人に身構えさせるところがあるのです。

我が儘で、周囲の人への気配りがないと書評でたたかれているのは

そういうところに原因があるのかも。

甘ったれるな!周りの人に感謝しろと、そういう人たちは言いますが

苦しい状態がずーっと続いていると

気が回らないことはあるのよ。

そういう部分があったと、著者も反省しているように書かれているし。

しかし、自分の主張を声高にする人は人から避けられがち

気遣いが足りなかったのは彼女の若さもあると思います。

人のことが考えられるのは

ある程度経験を積んでからだと思います。

その点で初心者なのかも。

だから、これからも何かを書いていくならば、「考えること」をもっとしてほしい。

私は著者に今後期待したいです。


少し厳しいことも書きましたが

難病で大変な人の実態を公表し

社会的な制度の不備に目を向けさせるきっかけとなったのは大成功です。
(それで本当にかわるかはわかりませんが)

日本の福祉制度、社会制度の弱さ、複雑さ、無駄。

そして、お金がどんなにかかることか。

お金がないと病気にもなれません。

私も、難病ではないですが

年間たくさんのお金を病院に使う事態になってます。

私の件は辞めるか続けるかは、自分で決められますが

日常生活ができないような、治すか、少しでも良くしなければならない人たちには

それが、どれだけ重荷か。

本が注目されることで彼女や、困っている人たちの助けになれいいなと思います。

自分で自活できれば、一番いいのですから。

表現や話の進め方が未熟なのは残念ですが

不安からわがままになっていた自分に気づいて

恋もして

ちゃんと生きていこうという前向きな姿勢をみせてくれたのはよろこばしいこと。

もっと年を取った段階でのその後・・・を読んでみたいなと思いました。

それはそうと

この本に高野秀行さんがかかわってたのはびっくりΣ(`□´/)/




   

sibainunohi at 16:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年02月23日

「カーテンの陰の死」 ポール・アルテ

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「カーテンの陰の死」 ポール・アルテ


ツイスト博士シリーズ。

頭皮がはがされた死体、偶然、犯行現場を目撃してしまったマジョーリーは

自分が住む下宿に怪しい人物がいることを知ってしまう。

怪奇趣味の入ったミステリでした。

そして、この殺人事件の後に

75年前に起きた未解決の殺人事件と同じ方法で殺される事件が

マージョリーの下宿で起こります。

頭皮はがし殺人の犯人がわからないのもいざ知らず

75年前の未解決事件の

殺害方法が全く分からなくてイライラしちゃいます。

インドの魔術的なとか、呪いとか。

そんなことはあるめえ( ̄‥ ̄)=3 フン

怪しすぎる下宿人もきっと違うだろう。


が・・・・驚きの結末。

どうなるか興味がある方は是非読んでみてください。

しかし、これで激怒してしまう人もいるんじゃないかしら。

いえいえ、答えは何もいいますまい。



とはいえ、個性的な住民が暮らす下宿の雑多感

思いもよらないエピローグ。

やはりポール・アルテだなぁと、結局は納得させられました。



  

sibainunohi at 12:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年02月21日

「奥さまは社長ー爆笑問題太田光と私」 太田光代

okusamahasyatyou

「奥さまは社長ー爆笑問題太田光と私」 太田光代


爆笑問題の太田光の嫁、爆笑問題の所属事務所の社長、嫉妬深くて酒飲みで恐妻家

という、最後は恐いイメージで有名な太田光代さん。

TVでは、「おいおい、だいじょーぶ?」というエピソードが語られてますが

こちら読んでみて、エピソードは意外と事実Σ( ̄ロ ̄|||)と知りました。

こちら連載は10年以上前で、書き下ろしを追加して出版したもの。

事実というのは、すごい焼きもち焼きということ。

でも、恐妻家というよりは、一途で夫への愛情が深すぎる人ということ。


でも、ちょっとは光代さんのキモチ、私もわかるんです。

モテるはずもない夫が、もしかして・・・ってときどき妄想しちゃう。

というのを、元同僚の男性に言ったら

「ぜったいないよ」って言われました。おいっ!


一方的にネタになっているところもありますが

光代さんの気持ちをちゃんと太田さんが受け止めてる感じが読み取れて

ほほえましくてうらやましかったです。

また、彼女の生い立ちがヘビーなのも驚きましたが

田中裕二のダメっぷりの暴露がおもしろくて

TVってイメージでなりたってるんだなとつくづく思いました。





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sibainunohi at 13:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年02月09日

「深泥丘奇談・続」 綾辻行人

midorogaokakidanzoku

「深泥丘奇談・続」 綾辻行人


「深泥丘奇談」の続編です。

実在の京都とは少し違うもう一つの京都が舞台。

「私」こと、作者と同じく作家家業の男とその妻。

ここ数年通っている深泥丘病院の石倉医師(一)や看護師の咲谷

がいちいち変わってます。

「私」はここ数年来、ひどい眩暈と記憶の混濁を抱えていて

自分の生まれ育った土地なのにわからないことが多い。

「おぼえてないの?」という妻から聞かされる

奇妙な話、「私」一人がおかしいという疎外感

それ以前に、「私」以外の全員がおかしいという恐怖。

この辺りは、前作と変わらなく、世界が歪んでいて気味が悪いです。

でも、途中挟まってくる「ホラー映画」を題材にした殺人事件(夢の話)

がツボでした。

被害者の殺され方で「これはあの映画・・・」と答えられる快感( ̄ー ̄)ニヤリッ


sibainunohi at 13:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)